2012年11月24日土曜日

Clinical Round

 11月20日は、Charing Cross Hospitalにて病院見学がありました。

 このClinical Roundは、東京医科歯科大学とImperial Collegeの双方のご厚意により、交換留学プログラムの一環として行われています。Imperialの医学科3年生の後ろについて病院の中を回ることで、イギリスの医療を垣間見ることができるのが、交換留学プログラムの魅力の1つです。

 普段、私はCharing Cross(以下、CX)の研究室に通っています。下の写真の左手に見える建物で研究をしています。右手が医学部の図書館、奥が病院です。医学部のメインキャンパスがCXにあるので、医学生が講義を受けているのを目にします。 
 

 CX Hospitalは、文字通り、上から見ると十字架(Cross)の形をしています。
 ワンフロアには約30病床あり、病棟フロアが15階あるので約450床存在することになります。入院日数は人それぞれですが、データを拝見したところ、早ければ入院→手術→即退院という1日コース、長い人で20日くらいのようでした。

 イギリスの医療制度については、"NHS"という言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。国民医療サービス(National Health Service、NHS)が医療を支えています。「ゆりかごから墓場まで」と言われるように、医療費が無料、国民皆保険など社会制度が充実しています。

 一方で、NHSは様々な問題点を抱えているのも現状ですが、話すと長くなるので、ここでは割愛させていただきます。日本の医療と大きく異なる点は、かかりつけ医であるGP(General Practitioner)が初期診療を行うことです。専門医に診てもらうのではなく、登録した一般家庭医GPに診てもらった後、2次診療を病院で受けます。Imperial Collegeの病院は10施設以上あるそうです。


 病院見学では、診療体系と、医学生の能力の高さに刺激を受けました。午前中はCardiologyの病棟を回りました。個人情報のため詳細は省きますが、ある患者さんの診療が印象に残っております。苦渋の選択を迫られるのが医師の宿命ですが、現場に立ち会って身の引き締まる思いをしました。

 他にも、5年生が3年生にOSCEの診察の手技を教えたり、3年生が腹部の診察・神経学的検査を実際に患者さんに行うのを5年生が見て、その後反省会をしたり、3年生が医師にカルテの詳細をプレゼンをしたり、学ぶべきことが多かったです。

 この経験は、私たちの血となり肉となりました。日本の未来の医学教育に反映することができれば、と思います。 

2012年11月4日日曜日

寮での生活

 ロンドンに来て、まもなく1ヶ月が経とうとしています。最高気温が8℃と寒い日が続いていますが、こちらでの生活にも慣れてまいりました。先週の日曜日に、日本との時差が8時間→9時間になり、本格的な冬の到来を告げるかのようでした。



 私たちは新入生に混じって生活しています。Imperialの学生は、1年生を寮で過ごすそうです。新入生は私たちより1週間早く入寮し、その後の2週間は"Freshers' Fortnight"というイベントに参加します。上の写真を見ていただければわかるように、毎日おもしろいイベントが企画されています。こういう企画を通じて、私も交流の輪を深めることが出来ました。

 この2週間が終わった後も、寮長や上級生によるイベントが、週に1回はあります。ハロウィンパーティーをしたり、花火を見に行ったり、寮で映画館を貸し切って007の新作を見たり、舞台を観に行ったり・・・。大学から寮に助成金が出ているので、定価の半額以下で見れます。普段は60ポンドするライオンキングの舞台が、15ポンドで鑑賞できます。

 フロアキッチンのコンロは16個もあるので、混雑しません。すごく快適な日々を送ることができます。下の写真は、フロアディナーの写真です。同じ階の友達20人でタコスを作りました。皆で協力しながら、1つの物を作る。こうして助け合いの精神を寮で学ぶのだと実感しました。