2013年1月28日月曜日

投稿論文

そろそろ成果をレポートにしなきゃいけないなぁと考えてる飯泉です、コンニチハ。煮詰まったので、暇つぶしになんか書きます(またおまえか、暇だなーって言わない)

で、いそいそとレポートの要項を見ていたら、冒頭に"Remember you are presenting your work as a submission to a Journal, it is NOT a thesis."って書いてありました。…ですよねー!短くたって炎上しているっていうのに、いまさら学位論文の長さで書けって言われたら爆発するしかない(もしかしたら、一応こちらのBScコースは終わった段階で名誉学士号がもらえるらしいので、気合い入れて書いちゃう人がいるのかもしれません)



あまりに煮詰まったので、気晴らしにオックスフォード行ってきましたよ。なんか、よかったよかったって話を聞くし。確かに凄くよかったです。けど、いきなりの天気雨と強風で、頭を冷やすどころか、冷えすぎて凍え死ぬかと思った。

で、トリニティ・コレッジ行ったらこんな絵が飾ってありました。


私が知ってるのは、真ん中のおだやかそうなおじさまだけでした(青ジャケのひと)。彼の名はSir Hans Krebs。クレブス回路(クエン酸回路)の発見でノーベル賞を受賞した生化学者です。



今や中高の生物で当たり前のように習うクレブス回路ですが、1937年、Natureがその重要な発見についての論文をリジェクトしたという有名な話があります(生化学の授業で聞いたような気がする)。その理由が、なんと「出版に値するほど科学的に重要だと思われない」だったとか。あー、やらかしちゃったね★って感じです。

クレブスはその温和そうな見た目とは反して、このことをいつまでも根に持っていたようです(ここの"One that got away"のところに載ってます)。どうも、ラボにNatureからのリジェクト通知をずっと飾ってたとかいないとか。怖い。

以前、Natureの編集者がしゃべくる、論文の投稿についてのセミナーを覗かせていただいたのですが、そこで彼が"Nature黒歴史"の筆頭として挙げたのも、当然このクレブスの逸話でした。


私は、残念ながら論文を投稿したことがありませぬ。でも、今回プロセメで頑張った方の中には、成果を学会発表や投稿論文というかたちにまとめる(まとめた)人もいると聞いています。がんばってください☆
(もし、医科歯科を志望してる高校生の方が読んでたとしたら(まぁないけど)医科歯科はこれだけレベルの高い教育をしてるっていうCMでした。二次試験まであと1ヶ月ですよね。がんばってください☆)


ちなみに、論文投稿について、Natureの編集者の結論は「ちゃんと投稿の要項を読んで、レビュワーの意見を聞いて、諦めずに何度も投稿する」という、地味な、でも重要なものだったように思います(あんまりちゃんと覚えていないんですが、特に最初のフォームに何を書くべきかを理解していない人が多い、って言っていた気がする)


あるいは…


最終手段もあります(注:別にPLOS ONEをバカにするつもりはないです。インパクトファクターも今はちゃんとついてるし)


余談ですが、絵の向かいにとりにてぃご飯メニューがありました。


土曜日はちょっと夜中に小腹がすきそう
(注:意見には個人差があります)

5 A DAY - What's it all about?

NHSでは、5 A DAYというキャンペーンをやってます。なんだそれ。



要するに、野菜・果物それぞれ「これで1単位」(1 portion)という量を決めて、それを1日5単位摂りましょうというキャンペーンです。スーパーに行くと、ブランドによっては「これで1ポーション」って書いてあります。



例えば、左はSainsbury(中堅スーパー。サ◯ット的な感じ)のPB(自社ブランド)。右下に「2人前入ってて、1人前に1ポーション入ってます」と書いてあります(ちなみにVはベジタリアンOKの意味…が、牛乳など使ってるのでveganの人はダメです)

右はTesco(Sainsburyよりちょっと下。日本で言ったら…なんだろう)のPB。上に「1 of 5 a dayで繊維質いっぱい」って書いてあります。



じゃー書いてねぇといちいち計算しなきゃなんねぇじゃん、めんどくせぇ…って言ってしまったホラそこのあなた、大丈夫です!生野菜で80gが1ポーションなんですが、これは大体「両手にいっぱい」くらいの量です(実際、幼小児の場合"As a rough guide, one portion is the amount that fits into the palm of their hand"と書いてある)

ちなみに、ジュースはコップ1杯(150 mL)で1カウント。でも、1日2カウントまでという決まり。


最初は、バランスのよい食生活うんぬんを目的にしているのかと思ったのですが、上のパンフレットにある

Just Eat More

が全てを物語っている気がします。1ポーションがそれなりに量あるので、5つとろうとすると意外と大変です(少なくとも自分は)。要するに、繊維質を大量に摂らせて、肉をあまり食べられなくしようという作戦だと思われる。




よい作戦だと思います




そう考えると、1ポーションこれで足りてるのかなぁ…と思ったときは簡単です。


Just Eat More
(とりあえずもっと喰っとけ)
注:意訳です、もちろん。


ちなみに、個人的にちょっとやってますが、休みの日にブランチで、しかもマッ◯を食べるとかいう怠慢をやらかすと、夜に5ポーションになって詰みます。そういう時は「野菜ジュースだけは1日3カウントまで」とか「2日間連結決算」とか勝手にローカルルール作ってなんとかやってます。

(2013/02/03追記:ご指摘を受けましたので、ちょろっと書き足します。


5 A DAYに関してですが、アメリカでは20年も前に始まったものでした。現在は発展的に解消され、"Fruits & Veggies - More Matters"というプログラムになっているようです…要するに5 A DAYは古いと。

さらに、もう3年も前の研究で、5 A DAYは(少なくとも)発がんリスクの減少にはあまりつながらなかったという結果も…Oh…my…

でも、それを研究室の人に(調べたので、ドヤ顔で)言ったら「がんとかじゃなくて、生活習慣病じゃないの?」と言われました。そうですね…というか、この活動は何か特定の疾患を減らしたいというより、もっと素朴に「バランスのよい食事を」っていうことなんだろうと思います(まぁ、少ないにせよがんのリスクも下がるらしいし)。

ということで、「両手いっぱいの野菜や果物」× 5 というのは、とても手軽なメジャーとして、やっぱり有効だと思います。ちなみに、日本でも5 A DAYは行われているようです)



以下、最初のパンフレットに出てる食品例について、おまけ。なんか暇って人はどうぞ。

2013年1月17日木曜日

煙のない街 ロンドン

年が明けてしまいました…いまさらですが、寒中お見舞い申し上げます。
今年もよろしくお願いいたします。

早いもので、研究期間も残すところ2ヶ月となりました。そろそろ結果をまとめ、発表するということを視野に入れなくてはいけないなと焦る日々です。このブログもそろそろ本気で好き勝手なこと書いて、大量の重い画像をアップして「埋め」にかかろうと思います。



さて。

先週、ロンドン地下鉄が150周年を迎えました。それを記念して、日曜日には当時の蒸気機関車が復活運転しました。まぁ、都会のど真ん中でよく許可したな、って感じです。いくらピーク時を避けたかったとはいえ、運転時間が19時から23時と、子どもに厳しいところがまた素敵です(ちなみに来週末も走ります。ほぼ同じ時間)。




とりあえずヴィクトリア時代の「絵」が欲しかったので、見るだけ見てきました。
でも、気を遣って駅構内は徐行したので、思ったほど煙を吹かず…




ってちょっと油断して再加速したら、このありさま。


ちなみにここはベーカー街駅。ロンドン市長のボリス・ジョンソンは"It was pure Conan Doyle!"って言ってたらしいですが、クライアントはさておき、ホームズは乗らなかっただろうと思います…なんだかんだ言って富裕層ですからね、馬車でしょう( 現代版の『シャーロック』でもタクシーばっか使ってたし)。


とにかく、当時はこんなものが結構な頻度で走っていたのだから、たまったものじゃなかったと思います。丸ノ内線がこれでバンバン走ってたら、私だって医科歯科の附属病院に来る前に倒れると思う…